たとえばサイコロを12回振ったとします。
サイコロには6つの面がありますので、それぞれの面が出る確率は1/6であり、したがってそれぞれの数字が2回ずつ出ることが想定されます。
しかし実際には1から6までの数字がまんべんなく出ることもあれば、1と3ばかり出る、または半分以上6が出るなどということはあるかもしれません。
ただし、そのサイコロが何ら仕掛けのないものであるとすれば、1000回、2000回、1万回とサイコロを振る数が増えるにつれ、1から6までのそれぞれの数字の出る割合はすべて1/6の割合に近づいていきます。
このように行為の回数を増やすほど、実際の結果が想定される確率に近づいていくことを大数の法則といいます。
この大数の法則は人の年齢別の死亡確率にも当てはまります。以下の表をご覧ください。これは1年間おける35歳から39歳の男性の1,000人あたりの死亡数(死亡率)をあらわしています。
これを見る限り、年度は違えどこの年代の死亡率もほぼ1.1%程度で一定していることが分かります。
平成2年 | 1.2 |
平成7年 | 1.1 |
平成12年 | 1.1 |
平成17年 | 1.1 |
平成22年 | 1.0 |
※ 参照元「人口動態調査」より
保険は相互扶助の精神(お互いの助け合い)を前提とした制度です。
この制度がをうまく機能させるためには加入者の公平な危険分担が必要となります。
大数の法則により各年齢別・性別などの死亡率が分かれば、それぞれの年齢別・性別に公平な保険の負担割合を決めることができ、保険制度を維持・運営させていくことができます。
その意味で大数の法則は保険制度の根幹を支えるものであるといえます。