人にモノや権利をあげるかわりに、もらう側の人にも一定の負担を負ってもらうことを負担付贈与(ふたんつきぞうよ)といいます。
たとえばAさんが自分の車をBさんにあげるかわりに、車の残りのローンをBさんに負担してもらうことなどが負担付贈与にあたります。
負担付贈与には通常の贈与と比べ以下のような特徴があります(条文は民法第551条第2項、第553条、第541条などご参照ください)。
1.贈与者(あげる人)は、受贈者(もらう人)が負担する債務の範囲を限度として、売主と同じく担保の責任を負います。
2.受贈者が債務を履行しない場合は、相当の期間を定めてその履行の催告し(債務の履行をもとめることをいいます)、それにもかかわらず期間内に履行がないときは、契約を解除をすることができる。 |
1について上記の車の贈与を例にとれば、AさんがBさんに自動車を贈与する代わりに残りのローンをBさんに負ってもらうということは、ローン残高にかかかる部分についてはAさんがBさんに自動車を売ったのと同じように考えることができるので、売主とおなじような責任を負うことになることをいいます(車に見えない傷などがあれば、BさんはAさんに損害賠償などを請求できる)。
2については、Bさんがローンを負担するといったにもかかわらずその約束を守らないような場合には、AさんはBさんに車を返せということができるということをいいます。
例題解説
(問題)
以下の設問に正か誤を答えなさい。
負担付贈与契約の受贈者がその負担である義務を履行しない場合であり、かつ贈与者が相当の期間を定めてその履行の催告をしても履行がないようなときであっても、その贈与契約は解除することができない。(2018年5月2級学科試験第51問(4)を参考に当サイトで作成した問題です)。
(解説・解答)
負担付贈与は、受贈者がその負担である義務を履行しない場合において、贈与者が相当の期間を定めてその履行の催告をしても履行がない場合にはその契約を解除することができます。
解答:誤